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菅原院長の漢方コラム

脈は色々な意味で難しいです

この前、脈をとりながら問診をして、薬を出したら患者さんからお叱りを受けた。

「漢方診察は、綿密な多数の項目の質問をして、それをフローチャートにまとめるなどしてから、それを元に説明したりして薬を出すものなのではないのでしょうか? それを手を触っただけでお終いとはヒドすぎる。」と言われて困ってしまった。

最近は漢方ブームというか、テレビなどで漢方特集番組を流したり雑誌で漢方薬についての特集記事が組まれたりして、興味のある人たちは大変勉強してきているのだが、漢方医学の特徴は「時間をかけた丁寧な問診と説明」ではなく、
その診断方法の難しさにあることをそれらの雑誌やメディアでなかなか説明してくれない。

特に脈は重要で、手を触っているだけに見えるかもしれないが、こんな事をしているのである。
まず、手首の脈を手に近い方から寸、関、尺(すん、かん、しゃく)の三部に分けて、両手の動脈を触り、
それぞれについて、浮、芤、滑、洪、数、疾、促、弦、緊、沈、伏、革、牢、実、徴、渋、弱、虚、散、緩、遅、結、代、動、長、短、などを見分けて病態を診断する方法である。
それを診察中説明することはとても難しいのである。しかも今の保険制度ではこの技術料は受け取れないことになっている。

例えば、風邪をひくと浮脈(脈が浮いてくる)になる事が多いのだが、浮でなおかつ実なら麻黄湯、弦なら桂枝湯などと、同じ風邪であっても脈状によって処方を変化させるのである。

最近の医学では脈の重要性は失われていて、脈拍をカウントするのみになっている。せっかくの先人の知恵が消えていくので、何とか残したい思いがある。

先ほどの患者さんは、そうは言いつつも薬を受け取って帰りました。
そして二週間後、晴れやかの表情で、
「薬が効いたのか、とても楽でした」と再診に見えました。
患者さん、内服してくれて有り難う!

(2013年12月23日 月曜日)

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