院長の漢方コラム

最近の腹痛について

みなさん、

【小陥胸湯(しょうかんきょうとう)】
という漢方をご存じでしょうか?

当医院でも今まであまり出すことがなかった処方なのですが、
【結胸(けっきょう)】
という病態の時に出す処方で、その「結胸」とは「胸に結ぼる」症状のことを言います。
もっと分かりやすくいうと、
『心下部が膨張し、硬く、疼痛があること』です。
昨年の秋からこの病態の患者さんが物凄く多いのです。
主訴は下痢なのですが、よく診察すると結胸があるのです。

上記は今になってもまだ続いていて、
下痢の通常処方に加えて小陥胸湯を処方しないと治療が遅くなるし、
腹痛もなかなか治まらない印象があります。
これは漢方薬を扱っている医師でないと分からない症状です。
漢方薬をやっていない医者は小陥胸湯を知らないのでかわいそうだなと思います。

ところで…
小陥胸湯に入っている【瓜呂実(かろじつ)】はカラスウリ(烏瓜)の実のことです。
子供の頃にはカラスウリは秋になると赤い実をつけていてきれいだなと思っていましたが、残念ながら最近はめっきり見なくなりました。

カラスウリの赤い実は見られなくなりましたが、処方でその良さを再認識させられます!!

上記症状については10月5日付の山日新聞の取材で取り上げられました。
下にリンクを貼りつけましたので、是非ご覧ください!

http://www.kenyudo-clinic.com/news/?p=36

(2012年1月16日 月曜日)

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