院長の漢方コラム
まだ寒い日が来る予感
この写真を見て欲しい。同じ一本の木なのに芽吹きが全く違う。バラバラである。
こういう年は暖かい日が続いても突然寒くなり、遅霜が出ることを農家の人は知っている。
これが人間なら自律神経系の失調と言うのだろうか?
こういう年には免疫力低下し易いので、カゼや帯状疱疹などのウイルス性疾患や溶連菌などの細菌感染症にかかりやすい。
日差しがあるときは暖かくうっすら汗ばむ時があると思えば、突然雪が降ったり霜が降りたりする天候の時は悪寒を伴う微熱の風邪を引きやすくなる。
自律神経のバランスをとりながら免疫力を高める「小柴胡湯(しょうさいことう)」と悪寒を伴う感冒に多用される「桂枝湯(けいしとう)」を併せた「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)」という漢方薬が今年はもう既に結構な頻度で出されている。
柴胡桂枝湯は熱のカゼだけでは無く咳にもお腹のカゼにも効果があるし、予防効果も期待できるので特に今年は是非使って欲しい方剤である。
この芽の出方を見るとまだ暖房はしまわない方がいいと思われる。
こういうときは温泉にでもゆっくりつかって体のバランスを維持したいものですね。
(2015年3月25日 水曜日)