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菅原院長の漢方コラム

変な咳

もう四週間近く前だろうか。四月というのに六月並みの暑さが続いた時である。

変な咳が流行ったので早く書かなきゃと思っているうちに時が過ぎてしまった。

変な咳というのは、

咳を訴えているし確かに咳もしているのだけれども、いつもと違うのである。

 

咳は多くは三つのパターンで考える。

一つ目は呼吸器の炎症による者で、咳で初発する感冒やアレルギーなどに見られるもの。

二つ目は喉頭の神経を刺激して起こる咳で、後鼻漏という鼻水や膿のたれ込みや心臓喘息と呼ばれるものも、これに当たる。

三つ目は労咳で、体が疲弊しすぎて咳が出て来るもので、この場合は人参養栄湯などの補気剤や睡眠不足の者は眠れる様にしたりするのだ。

 

これのどれにも当てはまらない咳の患者が大変多く来院したので驚いた。

症状はこうである。

咳は出るのだが気管支収縮している様子は全く見られない。

微熱が見られる。

手足は触ると熱い。

脈を取ると全員やや速い脈で力があるがういていないのが特徴なのだ。

 

これはどう見ても「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」を使う兆候なのだ。

不思議なのは、黄連解毒湯は「咳」には普段使用しないことだ。

 

いぶかしく思いながら老若男女問わずに「黄連解毒湯」を処方したところ、全員三日以内に収まった。

「黄連解毒湯」は体の中に熱がありすぎて起こる症状に使用する薬剤だが、咳にも有効なのだなと思い知らされた。

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(2015年5月4日 月曜日)

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