院長の漢方コラム
今年の梅雨は変わった腰痛が多い
二週間ぐらい前から腰痛症の患者が増えていたが、また最近腰痛症の患者がちらほら来院するようになっている。
椎間板ヘルニアとか、具体的にL5の椎間板ヘルニアと言われたといって来院してくるのだ。
リリカを飲んでいても効果が無い。
ところが私の診断では最近の来院してくる腰痛患者のほとんどが「大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)」という筋肉の筋肉痛なのです。
一般の人にはあまりなじみのない名前の筋肉だと思いますが、それもそのはずです。
長いことペインクリニックの医者をしていますが、こんなに沢山の「大腿筋膜張筋痛」の患者が一度に来院した記憶がないのです。
大腿筋膜張筋は臀部から始まって、股関節の外側を通り大腿部の外側を下降して膝の下方に付く、とても距離の長い筋肉なのです。
患者は「神経が走る痛み」という表現をしてくることも多いのですが、神経では無くただ長い筋肉の筋肉痛なので医療者側も注意が必要なのです。しばしば大腿筋膜張筋は痙攣をしていることもあります。
治療は大腿筋膜張筋の本体がある股関節の外側から臀部にかけて湿布を貼り痛みが治まるのをひたすら待つ。
運動は休むことが原則なので、リハビリもやらない方が早く治る事が多い。夜寝られない位の痛みを訴えることもあるので筋膜注射をする事が必要な場合もあります。
なぜ山梨県のあちこちで今年の梅雨時期に限って「大腿筋膜張筋痛」が流行っているのかは分かりませんが、
思い当たるのは大雪ぐらいかなと思うのです。
しかしこんなに時間が経ってから大雪の影響が出るものなのかな?と思ってみたりもするのです。
ヘルニアと診断された人たちでもこの記事を読んで思い当たる人は、きっと「大腿筋膜張筋痛」ですから安心して下さい。
治癒までは大腿部の筋肉損傷は共通して一ヶ月ぐらいかかるのが普通なので、すぐに治らないからと言って落ち込まないで下さい。 以上です。
(2014年7月15日 火曜日)