漢方Q&A(治療編)

漢方治療について、患者さんの疑問に院長が答えます

漢方について様々な情報がありますが、しっかり理解されていなかったり、中には誤解されている部分もあるかもしれません。

漢方を利用した治療についてもっと良く知ってもらい、理解を深めてもらうため、良くある質問に対して院長がお答えします。

一般的な内科と比べ、「漢方内科」は何が違うのですか?

いわゆる「内科」との違いは、治療に漢方薬を使うこと、そして診療方法の仕方が違います。
例えて言うと、庭に木が植えてあったとしましょう。その木の状態があまり良くないとします。

葉っぱ一枚を取って分析して、状態をチェックするのが一般的な内科(西洋医学的な内科)とするなら、漢方内科は木を様々な角度から見たり、たたいたりしながら、総合的に問題点を見ていきます。

一般的な内科では何か症状がある時には、患者さんの体をエックス線や内視鏡、超音波などで細かく診ていきますが、漢方内科では患者さんの顔色や脈、体の筋肉の状態から原因を特定していきます。

治療の流れはどのような感じですか?

基本的に4つの診療から成り立ちます。「望診」・「脈診」・「腹診」・「舌診」です。

「望診」とは顔を見ることによる診断で、まず、患者さんのうつむき加減や鼻や唇の色、声のハリなどを確認します。
そして「脈診」です。時代劇の医者が出てくるシーンで「お脈見」という言葉があるように、脈の状態を診るものです。
さらに「腹診」でお腹の筋肉の緊張や神経の反応を診て、「舌診」で舌に白いコケがついていないか診ることでリンパの問題かどうかをチェックします。

この4つの診療で、患者さんの状態がだいたいわかります。そしてさらに細かく診なければならない時は、レントゲンなどの西洋医学的な診断方法も利用します。

漢方薬は診療中に使うのですか?それとも診療結果によって自分に効く漢方をもらえるのですか?

一般的には服用薬として漢方薬をお出ししています。
ただし、めまいなどの緊急を要する場合はその場で使うこともあります。すぐに効いて落ち着いてきます。

どんな症状の人が来院しているのですか?例えば風邪をひいた時でも行っていいのですか?

どの医者にかかってもダメだった方や、なかなか治らない慢性的な症状に悩んでいる方など、いろいろな症状の患者さんがいらっしゃいます。

風邪などについては漢方の独壇場ではないでしょうか?
西洋薬は風邪によって起こる症状を抑えるためのものでしかなく、風邪そのものは体の自然治癒力に頼っています。だからウィルス性疾患は西洋薬では対応できません。

漢方ではリンパを活性化させることで体の免疫づくりの手助けをする働きをしているため、根本的な治療につながっているため、治りの早さが早いです。

漢方を利用した治療は全く経験がないのですが、だいじょうぶですか?

漢方を使うのが初めての患者さんばかりですので、だいじょうぶです。治りの早さに皆さん驚いています。

クリニックに行けばすぐに病気を治してもらえるのでしょうか、それともその後の漢方薬で治すのでしょうか?

症状によっても違います。風邪などはすぐに治りますが、アトピーなどを治すにはどうしても時間がかかってしまいます。

ケガの治療などもしてもらえますか?

骨折などの物理的なケガは、別の治療になりますが、腫れや青アザなどは漢方薬でひかせることができます。

最近調子が悪くて、自分でもなぜかよくわかりません。そんな中途半端な状態でも診てくれますか?

もちろんです。漢方内科の診断で症状の原因も特定することができます。

病気を治すのではなく、美容の目的でクリニックに行っても良いですか?

ニキビやシミを無くすのに、漢方は効くようです。
瘀血(おけつ)と言って血の流れが滞っていることによるものなので、血の流れを良くする漢方薬によって解決します。結構皆さんに喜ばれています。

漢方内科は保険治療なんですか?自費治療なんですか?

漢方を使う治療はほとんど保険治療です。
ただし一部の動物性生薬を利用する場合と、針治療については自費治療です。

漢方内科を受診して、高額になったりしませんか?

皆さんがお支払いする受診料は、診療点数が関係してきます。診療点数が多ければ多いほど受診料が高くなっていきます。

例えばCTやMRIなどの機器で検査をすると、その分診療点数が追加されますし、いろいろな検査をするほど料金がかかります。極端な話をすれば病気を治さないで、検査をすればするほど医者が儲かる仕組みとも言えます。

漢方内科の場合は、そのような検査などをしなくても漢方医学の診断技術で対応できるので、受診料が追加されるような診療や検査が必要ありません。 患者さんの負担を最小限に抑えるように心掛けていますのでご安心ください。

遠方に住んでいるのですが、一度は健友堂クリニックへ行ってみたいと思っています。何度も通うのはきついのですが・・・

漢方薬については、お住まいの近くの病院やクリニックに紹介することができます。
ただし治療の方針を決める必要がありますので、1度はご来院ください。針治療に関しては、クリニックに来て頂く必要があります。

現在病気などはないですが、健康維持のために漢方を利用したいと思っています。そういう場合でも来院して良いですか?

ぜひご来院ください。悪いところがないかどうかチェックします。例えば疲れをとる漢方薬など、日頃の健康維持に有効です。

すぐにでも行きたいと思うのですが、いきなり行っても良いですか?来院予約はした方がいいですか?

他の患者さんもいらっしゃいますし、お待たせすることもあるので、日程が決まっているのでしたら予約してもらった方が良いです。

なぜ菅原先生は漢方治療を専門にしようと思ったのですか?

ペインクリニックという領域を研究していて、神経を扱うことが多かったために漢方薬を使うことが多かったです。そのため人間の体に働きかける漢方について強く興味を持ち専門性を高めてきました。

菅原先生は名医に選ばれたって本当ですか?

そうですね。雑誌の特集で「医師がすすめる名医」というのがあって、掲載されました。
自分と同じ専門を持つ医師があまりいなかったことと、当時は各地で講演していたことも要因なのかもしれません。そのためなのかはわかりませんが、医者が患者として来ることも多いです。

漢方医ってあまり多くない気がしますがなぜでしょうか?

一番の理由は、大学などで漢方医学について詳しく教えられていないからではないでしょうか。
医学部生はいろいろと勉強することがありますし、そもそも漢方に関する内容は国家試験にも出ません。
授業が西洋医学が中心の内容になるため、漢方に対する誤解を生んでいることもあるのではないかと思います。

なぜ山梨県甲府市で診療しているのですか?出身地なのですか?

山梨大学出身なので、そのまま甲府市に住み続けています。
大学との関係も強いため、学生の受け入れや研修なども行っています。たまにクリニックが白衣を着た人でザワザワしている時もありますが、将来を担う医学部の学生達ですので、暖かく見守ってあげて下さい。

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