院長の漢方コラム

熱中症や下痢には味噌汁が最適

味噌汁は日本の食卓には欠かせなかったが、最近はそれがコーヒーや麦茶にとって変わられてしまった。
今年の夏、甲府は連日この国の最高気温を記録し、当院では連日点滴をする患者であふれた。
老人ばかりか、結構若い年代まで脱水症や熱中症を患う年であった。

みんなは知っていただろうか?

脱水予防にスポーツドリンク(塩分が含まれた飲み物)を全国的に勧めているが、
薄味の味噌汁の塩分は生理食塩水とほぼ同じ濃度なのだ。

「味噌性やわらかにして脾胃を補う」

とは貝原益軒の「養生訓」に書かれているものだ。「脾胃を補う」とは「消化機能を補ってくれる」と言う意味なのだ。
味噌汁はつまり、生理食塩水を補う働きをし、で尚且つ胃腸の調子を調える働きがあるものと言うことになる。
夏ばてには最高の飲み物だ。

最近涼しくなってきて下痢の患者も多いのだが、味噌汁に入っている葱(ねぎ)は下痢の薬として使われていた。
薬用には葱の白いところをつかうのだが、そういえば最近緑(あお)いネギばかり見かける気がする。

夏の暑いある日、玉穂町のコーヒー茶屋で付け合わせになぜか味噌汁が出てきた。
ちょうど良い健康的な味付けで妙にうまかった。

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(2013年9月2日 月曜日)

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