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菅原院長の漢方コラム

胸の症状

梅雨入りする少し前から、様々な胸の症状が出てきている。

ある者は胸が苦しいとか痛いとかいう症條を訴え、ある者は胃の調子が悪いという。またある者は咳が止まらないといい、またあるものは咽が焼けるように痛いという。不整脈や心電図変化まで現れ心臓カテーテル検査をうけるものすらいる。

 

此等は現代の医学では逆流性食道炎か狭心症なのだろうが、多くの者は内視鏡やカテーテル検査で異常が無いと言われたり、たとえそこで異常が見つかったとしても治療の薬でも症状が改善しない事も多い。

 

日本の漢方医学に心嘈(しんそ)という言葉がある。胃酸分泌過多による様々な症状の事を古い言い方で嘈雑(そざつ)というのだが、その嘈雑の症状が胸に集中的に現れる状態の事である。この心嘈に、一種消渇の病態にてあらわれる事がある。その場合は安中散や麦門冬湯、柴胡桂枝乾姜湯、腎気丸、黄連解毒や白虎湯などにてもいまいち症状が改善しないのである。勿論制酸剤や抗不整脈薬でも症状の苦しさはいまいち取れない。

 

このようなときに生津湯(しょうしんとう)という処方を使うと胸の苦しさを治す事が出来る。生津湯は確か麦門冬、人参、黄耆、括蔞、知母、黄連、牡蛎、地黄、甘草を組み合わせた方剤だが、医療用のエキス剤には無い。代用として滋陰降火湯を使ったところ、結構効くのでおどろいた。

 

この症状はまだ少し続きそうである。医者は心に留め置いて貰いたい。

 

(2016年7月1日 金曜日)

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